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脱膝立ち依存-2 [リハビリ]

こんなトコ住んでたの!?オレ!?


『へぇ〜、俺こんなトコ住んでたんだぁ』
これが正直な感想。もう住んでから何年も経つのに殆ど記憶に無い。ホント写真のスクラップブックみたいに一部分一部分は分かるんだけどね。

初の外泊許可をもらった時は、奥さんに病院まで迎えに来てもらいました。
だって独りじゃ帰れないんだも〜ん(笑)
タクシーに乗って自宅の住所を告げるまでは良いとして、東西南北もさっぱり分からんし、もちろん道順なんか全く知らないし「コレどっちに行きます?」なんて聞かれたひにゃ〜「お任せで」としか答えれない確信が有ったので、ここはヒトツ奥さん登場〜って事で。

たった2泊なのに、それはもう気分は修学旅行で。前の晩なんかワクワクして殆ど寝てないし、リュックにはノートパソコンとCDとDVDと自宅へ帰るのに着替えとかで一杯だし(笑)、売店で買い込んだ駄菓子もリュックの右ポッケには森永ラムネ5個くらい、左ポッケにはカバヤジューC各種ギュウギュウに詰め込んで(笑)。看護婦さんに『子供かっ?』って突っ込まれましてね。「オトコには忘れちゃイケナイ物が有るんですよ」と。

奥さんが午前中に迎えに来てくれまして、いざタクシーへ。
それも普通のタクシーね!
入院してからというもの、他院の受診など移動は全て車椅子での介護タクシーだったので、普通のタクシーに自分で歩いて乗車出来るだけで凄く嬉しくて。
自宅までの3〜40分ほど、殆ど無言でタクシーの窓から色々な想いで外の景色を眺め続けてまして。途中見覚えの有る街並がいくつか有ったけど、なぜ見覚えが有るのかが思い出せず...。家の近所まで来て、ここの居酒屋が美味しかったとか、このお店がどうだとか、色々言われたけれどそれも記憶に無く...。
いよいよ近所まで来て「次ぎを右にお願いします。」「そこの角を左にお願いします。」「はい、ここの前で降ります。」

「はい、着いたよ〜。やっと帰って来れたね!」とは言われたものの...。
「俺ここに住んでたんだぁ...。写メで見た事あるわぁ。」って感じ。
自宅のはずなのに、とんでもなく不思議な感じ。全く知らない自分の一面を見せ付けられてる感じ。無くしてたピースが見つかって、一気にゴソっとパズルの一部が出来上がって行く様な感じ。思い出せたり知れたりして安堵する感じと、知らなきゃ良かったと落胆する感じが同居する複雑な感覚。

100104_2330~01.jpg家に着いて荷物を置いて早々に「自分の部屋」と説明された部屋に入りましてね。そしたらば携帯の待ち受けにしてた絵が壁に掛けて有りまして。ネコの絵。この猫「ジャイ」って言いましてね、僕が一人暮らし始めて早々に子猫から飼っていたネコでかれこれ20年以上。この絵を描いた事は記憶に有ったけれど、なぜこの絵を描いたのかは記憶に無くて。
上の階に行くとヨチヨチ歩きの長男が、俺の顔を見ると笑顔で抱きついて来ましてね。ホント久しぶりに自宅へ戻れた実感を噛み締めていたんですがね、ふと「ジャイが居ないなぁ」と。奥さんにその事をたずねたら、長男の生まれた日のほぼ同時刻にジャイは死んだんだよと...。それをたいそう悲しんであなたはアノ絵を描いたんだよと。

そう言えば長男の誕生日もジャイの命日も、すっかり記憶が無くなってましてね。
なんだかとても大切な物を無くしてしまった様で、凄く切なかったな...。
コレは思い出さなくてもイイやって事は、深く追求せずに忘れてしまった事に出来る都合の良い面も有るっちゃ〜アルけれど、知ってしまうと2度悲しむ事も有る訳で、記憶喪失ってのはなんだか切ないなぁ〜と。

そんなこんなが有りまして、ホント〜に久々の家族揃って晩ご飯。
なんてこたぁ〜ない当たり前の有りふれた晩ご飯だったけど、格別な晩ご飯。
そして僕は禁断の

ドブロクいっちゃう!?オレ!?


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