SSブログ

膝立ち以上義足未満-4 [髄膜炎]

色々聞こえてるけど!?オレ!?


入院初日に少しばかりうたた寝をしましてね。ほんの五日間ほど。
意外とスッキリ目覚めたんですが。それからですよね、幻覚やら幻聴やらが頻発したのは。幻覚は以前にも書きましたんでザックリと端折りますけども、飛び交う電波の類いがターミネーターの視界みたいに、バンバン見えて来ましてね。こちらの意思とは関係無く色々と。それから壁や天井が柔らかな光を発しながら、ゆっくりスライド。それはそれは幻想的で、出来る事ならもう一度見たいなと。きっともう一回42度とか高熱を出せばまた見れるんじゃないかと。

そんでもって幻聴はですね、とにかく人々の声が喧しい。色々なジャンルの斬新な音楽がバシバシ聞こえて来る。頭の中でフレーズを一つイメージすると、次々完成形となって聞こえて来る。まるで天才になった気分。

僕がお世話になっていたのは入院病棟の3Fなんですが、階下からそれこそ飲屋街の喧噪が聞こえて来るんですよ。言い合いしてる声や、階段でオネェちゃんを口説いてる声。その聞こえ来る喧噪の中に、小さなライブハウス的な場所からと思われる音が漏れ聞こえて来ましてね。なにやら複数の民族的な打楽器から生み出されている大きなグルーヴ。そのグルーヴに絡んで来る、とても艶っぽいシングルコイルと思われるリズムギター。リードはいかにもテレキャスな音のスライド。
凄く心地良かったな〜。未だ脳裏に明確にその響きが残ってる。そのうち形にしたいなと。そのためには、是非とも民族的な打楽器とやらのグルーヴを会得せねばな〜なんて思っていましてね。

そんな事を考えながらテーブルの上に目をやると、「入院のしおり」が無造作に置いて有りまして、それを手に取りパラパラと。本来は入院に際しての決まり事が色々と書いて有るはずなんですが、高熱の僕には何故だかそれが階下の例のライブハウスのフライヤーになってましてね(笑)。そのフライヤーには「体験コンガ教室!初心者歓迎!」って書いて有りまして。絶対にコレに行かなきゃダメだと(笑)。

今でもハッキリ覚えてますけど、その入院のしおりを持って当直の看護婦さんに「これに参加してみたいんですけど、行ったらダメですか?」って聞きに行きましたよね(笑)、超真顔で。赤い車椅子乗って。
看護婦さん、ポカ〜んとしてました...www。
それでもなお「どうしてもダメ?」って食い下がりましてね。色々言いましたよ、ほんと。「このグルーヴを会得しないと駄目なんだ」だの、「完成形は見えてるんだ」だの、しまいには「新しいサウンドが産まれようとしてるのに!」www。

もうね、夢遊病患者ですよ。
結局、看護婦さんに車椅子を押されて病室へ。
「はい、おとなしく寝て下さいね〜」って。
「ぜったいにダメ?」

『ダ メ デ ス!』


ダメなのか!?オレ!?


ご協力お願いします↓↓↓
ブログランキング にほんブログ村
nice!(0)  コメント(6)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。