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身体障害者入門-1 [闘病記]

足、無いんじゃないの!?オレ!?

はい、バッサリと綺麗サッパリ無くなってましたね〜両足。それはもう清々しいまでに(笑)。

目覚めてから数日後、だいぶ意識もしっかりしてきて、起きている時間も増えました。
まだ自分が置かれている現状を把握していない僕は、きっと交通事故か何かで入院しているんだろうなと。少しだけ動く手で足に触れると、両足は包帯でグルグル巻きに。何となく足が短い気もするし。きっと事故で足を怪我したんだなと。色々不思議に思う事を質問したいのですが、いかんせん声が全くもって出ません。

意識が無い間、人工呼吸器のお世話になっていた僕は、のど元(ノド仏のチョイ下くらい)に穴を空けてそこから管を入れて機械に繋がれていたらしいのですが、呼吸器を外した後も『カニューレ』とやら呼ばれる聞き慣れない高級デザートみたいな名前の器具が、喉元にずっと刺さったままになっていて、吸うのも吐くのもその器具の穴からというシステムになっておりました。そのために呼気が全く口を通らないのでヒソヒソ話すら出来ず、ただただ口をパクパクさせるだけで、相手には全く何も伝わらないジレンマに相当ストレスが溜まっておりました。

必至に奥さんに『オレの足はどうしたの?』とクチをパクパクさせて何度も何度も問いかけるも伝わらず、やっと伝わったかと思えば『あぁ分かったッ!タマゴボーロねっ!?』と....。何が悲しくて今このタイミングでタマゴボーロを....。伝わらな過ぎにもホドが有るっ!
本気で離婚を考えた瞬間でした(笑)。

筆談という手段を忘れていた事に気づき、看護婦さんに紙とペンを借りて再度タマゴボーロの真意を伝えるべく。
結果、僕は交通事故でもタマゴボーロでもなく病気で入院した事、足が包帯でグルグル巻きになっているのは事故の怪我でもタマゴボーロでもなく切断である事、タマゴボーロを幾ら食べても足は生えて来ない事、等が筆談で分かった。

足が無くなってしまった事に関しては、自分でも驚く程冷静に受け止めてました。
『へぇ〜そうなんだぁ』くらいで。それを知らされた時点で、もう気持ちは義足の方に向いてました。どうやって義足でアノお気に入りの川へ行って釣りをするか、義足でも履けるウエーダーは有るのか、義足でも重いギターを持ってステージに立てるのか、義足で波乗り出来る手段は有るのか、義足でも子供らと一緒に大好きな富良野の野山を駆け回る事が出来るのか、僕の意識はすでに病床には有りませんでした。

とは言うものの、現実は全身色んな線だらけ。上半身を起こすどころか頭を起こす首の筋力すら無い状態...。筆談するも幼稚園児の娘より下手な字、しかも全てひらがな。ペンもちゃんと持てずに始終ポロポロ落とす始末。書きたい言葉も出て来ない...。障害者もラクじゃ無いなぁ...。
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これからどうなんの!?オレ!?


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