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新.事の始まりは-4 [闘病記]

目覚めるのか!?オレ!?

三途の川での毎日は、それはそれは夢の様で、そのままずっと此処に居たいと思わせる凄く魅惑的な日々でした。天気も毎日良いし、熱くも無く寒くも無く。どんだけ遊んでも心地良い疲労感。
でも、ふと思ったんですよ帰らなくてはと。

なんとなく遠くで『おとうさん!?』って何度も呼ぶ声が聞こえて目を覚ますと、奥さんが横に居ました。
『お父さん、分かる?』の問いかけに僅かに頷く事しか出来なかったけど、ただただ『良かった...。』と繰り返し、涙している奥さんを見て『何で泣いてんだろ...?』と不思議に思う自分が居ました。

体中に色々な線やら管やらが繋がっていて、僕の周りには白衣を着た人達がズラッと居て覗き込む様に。
その光景に『あぁ...、なんか大変なコトになったのかな...?』と他人事の様に。
聞きたい事が一杯有ったけれど、何故だか声も出ないし言葉も全然浮かばない。
体のどこにも全く力が入らず、自分の身体なのに借りて来た人形の体みたいで。
周りに居る人達のザワザワした話し声や、廊下を足早に歩く音、色々なモニター類の電子音、どれもこれも日常に有りふれた音なのに、不思議とどれもこれも新鮮に聞こえ、久々に音のある世界に戻って来た感じがしました。

長い長い眠りから覚め数日経った頃、僕は自分の足の異変に気づくのでした。

足、無いんじゃないの!?オレ!?


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